名古屋城内のお能舞台を新たに設営するに当たり、お能舞台の背景に斬新な「若松」を配した結果、能の舞台の背景
は「老松」であって「若松はおかしいのではないか」と大論争になったことがありました。
多くの専門家と学者、一般市民と広く意見を採り入れて、新しい感覚で未来に向かう為採用した良策との認識にクレームが付いたのです。

若松 老松
解決策として、1年交代で鏡板(お能舞台のバックの文様で、松飾りが書いてある所で、雨戸の様な状態になっている。)の文様を取り替えることになったそうです。
しかしながら、見るべき考えるべき大切な事項は、若松でも老松でも基本的に昔からの松の文様からは逸脱していないことです。
だからこそ、「若松」の鏡板で、多少なりとも違和感があってもお能が演ぜられるのであって、これが今、多くの武道具のカタログに記載されている松の形であったらどうでしょう? クラゲであったらどうでしょう? 論議の対象では無いお粗末な事では無いでしょうか?
それほど伝統の世界のデザインは、細部に渡って細かい神経が必要なのでは無いでしょうか?
3階松 剣道具に使われている松(光琳松)
剣道具の世界の松が松として認識されているのでしょうか?
また、最近の多くのメ−カ−のカタログの胸で鬼雲という飾りが掲載されています。
胸の上部分が刺してあって下部に飾りのある今流行の胸の形です。

(それに限らず雲型と言っているその形に多くの疑問を感じる今日この頃ですがーーーーー。)
鬼雲飾りなのでしょうか?
まるで2匹のクラゲのダンスでは−−−−−−、
クラゲが松に変わったらいかがでしょう。

鬼瓦に見られる雲型 雲型の文様 上図、下図
筆者が原型と考える雲型胸 
末を考えると、伝承の重要性と、その責任を感じます。
多くのメーカーのカタログ担当者の皆さん。 是非とも製造現場にお伝え下さい。
そして業界全体でその基本的な伝統を護って行こうではありませんか。