これなんだ本当か見聞録


スジ引きを2度するってのは要らない?  それ本当か?


 筋論?スジ引きの話と言うタイトル本文   https://kendomix.com/610/archives/2611.html
 (
文中赤文字がブログ記載文章です

 まず冒頭のYou-Tubeの「防具製造ショー」スジ引き実演画面に始まって最後まで何度もリンクを張り賞賛していますが、 この件は後に仕込み用スジ引きにて見解を。 
 まず本題から。

 
ここで言うスジ引きは2種類あります。   第1は仕込み用のスジ引き、 第2は仕上げの為のスジ引き。
 本文では仕上げのためのスジ引きは要らないと言う事なので仕上げ用を中心に


布団を刺したり、胸や顎でも刺すことがあるでしょうが、その刺しをするために「ガイドライン」を引くということです。
(蝋などを利用して線を引きます)。
 
 これは
仕込み用スジ引き
 
布団類と胸、顎とに筋引きをする、と言う表現で同じ物と考えているようですが根本的に違います。

 動画内での実演職人は、実際に顎革や胸革にも蝋を引いて筋を引いてからそこに刺しをするのですか?     
 見てみたいですね。

 胸、顎用皮革には裏打ちして革の伸びを抑え、革の伸び方向を均一状態にしてから型紙を置き、直接目打をします。
 そうしたことを知っていますか?       


 スジ引きをしなおすってことは、凹凸の少ない布団とも言えてしまいます、、、(ザンネン)
 これって布団の刺しの粗雑さをキラキラにさせて見えにくくしてるんでしょうか、、、と穿った見方をしてしまいます。

 刺した後スジ引きをした物が皆凸凹の少ない布団になるのですか? 
 布団の凸凹厚みがスジ引き行為で無くなることはありません。
 刺し行為のすべてに知識とその目的を知っていますか?  
 そして剣道具の作り方をすべてに渡ってご存じなのですか?

 つまりですね、胸・顎で、スジを引き直しているものは、芯材まで刺さずに、表面の一部のみ刺して蜀紅(模様)をつくって、その後に芯材などを挟んで作っているということになります。
 蜀江本来の芯材と表面の革を縫い合わせ、一体化するという機能がなくなっている、つまりは、ただの糸飾りだけである。
 こういうことがわかってしまうんですよね、、、。
、いまは接着剤が進化していますから、工程自体の是非はいわないでおきます

 しかしながら、それでもわざわざスジを引き直して、伝統的な工程をしていないことをしめさなくてもいいと思うんですんよね。
 工程をしってるととてもザンネンな作品になっちゃうわけです。



判りにくいかも知れませんが、胸の裏刺しをした所の画像です。
刺し目の右側が少しふくれています。

刺し目の右側から左に向かって刺しているのが判ると思いますが、
革の裏方向(右側穴)から革表に向かって針りが出て、左穴に向かって下方向(革裏方向)に刺して行きます。

当然右側穴が表面にめくれ上がる事になります。

それをそのまま放置すれば、起き上がった革の吟面がこすれて裂けてゆく現象が起こります。

それを(切り口を)内側に収めるためスジ引きを行いますが、
それが伝統的な行程をしていないことになりますか?

どんな行程を知っているのですか? 何が残念ですか? 
そのまま放置して革刺し口が裂けた方が良いのですか?
防具が早く傷んだ方が良いのでですか?






布団類の材料は打ち込みの多い先染め小幅木綿を使います。
裏にしろ表にしろ針で刺す以上当然糸割れが起こります。
(糸1本の繊維間に針先が入る)。 あなたは1吋に65本以上打ち込みのある木綿の、経糸と緯糸の隙間に正確に針を刺せと言うのですか?

その糸割れ(繊維素のめくれ上がった物)を納める為にスジ引きを行いますがそんなに無意味な事ですか?

紺鹿革が張ってある部分も刺しをすれば革が起き上がる事があります。 それを押さえることが悪いことですか?

そのまま放置して、糸割れ箇所から糸がほつれたり、革の刺し口が起き上がったりして防具が痛む方が良いのですか?

剣道具製造販売の業界さんには、いいものを担保することをもっともっと考えていって欲しいですね。
今回とりあげた剣道具におけるスジ引きを2度するってのは本当に要らないと思うんですよね


 右上端と左下端に糸割れ現象が送っています。
 繊維素が痛んでいますから汗などの混入により更なるダメ-ジを避けるため、スジ引きを行って糸切れを内側に納めます。
 その際、融点の低い防水効果のある木蠟を付けてスジ引きを行います。  それが要らないのですか?

 胸と顎は布団類と違って竹刀の突きなどの直進から身を守る役目があり、布団類より瞬間的な強い強度が求められます。

 一方布団類は竹刀の打突では布団類とほぼ並行方向に竹刀が当たり、胸、顎より長時間の緩衝能力が求められます。

 顎、胸は 結果的に接着剤が進化している事は良い事といえるし、仮に表革と裏革のみで刺しが無い状態で作ってあったとしても、顎自体は面金と生革で太糸にて裏まで縫い付けられていますし、下部の段飾りにより表、裏は確実に縫い合わされており、日本国内では面仕立て担当職人が十分検査取り付けを行い、外国製顎であっても強度的には問題ないように補強して面を仕立てています。

 胸はたとえ総刺し胸で胸飾りがないものであっても、下部横方向飾りにて表と裏が確実に止まっていますし、胸縁取りで胸外側周りは縫い合わせてあり、胸乳革で確実に上下間は綴じ合わさっていますし、更に下部水平面は胴台に綴じられているはずです。


本質にはずれたことを業界さんはなぜさせている、しているんだろうということなんです



何処が本質から外れていますか?

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