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剣道に「突き」技があります。
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第45回「武道学会、剣道 分科会で「突き」への対応が意見交換されました。 浅見先生のHPをご覧ください そこで「突き」への対策が緊急課題として提案され、対応について百鬼先生のご指導のもと、面への対応研究に取りかかりました。 そこで浮かび上がってきたのが万一の事故の際の危険度として「頸動脈」への竹刀突入です。 竹刀が頸動脈に入った場合は最悪の事態が考慮されるので、そこに至る経過と頸動脈との位置確認をいたしました。 頸動脈の画像 まず面の形状から。 「突き」の竹刀突入を防止するために2重顎(用心垂れ)が取り付けてあります。 それぞれの考えでのサイズがあり、ほとんどが頬輪に糸で直接縫い付けてあり、簡単には取れないようにはなっています。 次に実際の剣道の打ち込み時の検証です。 誰でも打ち込み時には目線を下げては打ち込めないので 顔が上がります。 同時に「面」も顎が上がって斜め状態になります 上画像参照 |
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剣道の試合中の出来事 | |
左画像は上画像とほぼ同じ角度に面を傾けて、2重顎の位置関係を写した物です。 顎(突き垂れ)と同じ角度で2重顎(用心垂れ)が面に連れて斜め上を向いています。 (紺当て革が張ってある部分)喉元が開いている状態がわかります。 こうした状態でも絶えず2重顎が垂直状態を保つ事が出来れば喉元を護ることが出来、竹刀先は首筋から外れます。 そこで特許取得の安全顎を面に取り付けた画像です。(小桜が付いているのが安全顎部分) 画像で判るように安全顎が常時下に下がって喉元の空きを防いでいます。 万一竹刀が顎をそれて面の中下部に突入した場合でも、安全2重顎に当たって直接頸動脈に竹刀先端が入る事を防いでいます。 |
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安全性向上は全ての剣道具に関係している業界にとって最優先的に進むべく方向と考えます。 このたびこの事業化に当たって剣道具職人会は、営業に関知しないという原則に反してまでも、 全日本武道具武道具協同組合と協賛事業として進展させることにしました。 安全な生涯スポーツとしての剣道、祖父と孫が対等に楽しめるスポーツ、剣道。 剣道を愛する心意気は誰にも負けないと自負しています。 |
面に安全顎を取り付け作業中の木村会員 |
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会員のお店にて面に取り付けられた安全顎の状態です 一般、学生用の稽古に使う常用品として最適です。 下部は喉幅に値する十分の面積が確保されています。 |
従来の面に安全顎を重ねて取り付けも、 安全顎のみの取り付けも可能です。 いずれの取り付けも取り付けには安全のため高度の技術が必要です |
主に学生、一般剣士の皆様にお使いいただく製品です 相手からは取り付けられた安全顎は見えません。 |
高段者用の手刺し製品です。 総鹿革製品です。 表側(顔の当たる側)は燻し革、 裏側(相手から見える側)は紺色染め鹿革です。 |
面の頬輪の回りに、自動車のシ−トベルト素材の ベルトを回してあり、止め箇所が万一糸切れしても 頬輪から外れません。 |
正規品には必ず特許番号が表示してあります。 安全顎単独でも重複着装も可能です。 取り付けに際しては職人会会員店、 もしくは全武協加盟店にてご相談下さい。 |
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形だけを真似をして安全性が考慮されない事態を、回避するため特許を取得いたしました。 諸外国にも出願済みです。 取り付けに関しては「会員名簿」でお近くの会員店に相談下さい 本来営業活動をしない「職人会」ですが、防具安全活動にはばかることなく取り組むよう激励を受けています。 |
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剣道日本誌2014年、5月号に「安全顎」の記事が掲載されました。 多くの有名校の学生さんと高名な剣士の先生方にモニタ−をお願いしております。 まだまだ中間報告にて全部の意見とは思われませんが、とりあえずの結果を報告いたします。 多くの高校生からは「安心できた」との回答が80%以上あり、「喉元を守るか?」との質問にはほぼ90%、 「今後も使用したいか?」との問いには、これも90%の、 多少の違和感があっても使いたい、との回答をいただきました。 使いたくない!との意見は今の段階では見あたりません。 そのほかの意見としては金属リングへの違和感が指摘されました。 金属丸リングは喉幅に対して常時平行に対峙させるのと、垂直に保つ事、前後方向への可動を容易にする事を目的に設置しています。 また、2重顎とベルトの金属接点を絶えず変化させ、金属疲労を防ぐ目的で使用しています。 リングが変形した場合は簡単に交換できます。 一部の剣道家から金属リング無しの依頼がありました。 対応は可能ですが、さらなる補強とより安全性が要求されますので、必ず組合加盟店にご相談の上、取り付け依頼してください。 |
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有名高の剣道師範が「迎え突きをすれば相手がびびる(恐れる)。 先にびびらせて於けばその後の展開は有利に試合を進展させる事が出来る」「だから徹底的にまず突きの稽古をさせる」と話しておられるのを聞きました。 日本選手権で鋭い「突き」の場面を見て素人目に恐ろしく感じた事を思い出しました。 事故を防ぐのが防具の役目です。最近の防具の傾向には憂う物があります。 軽い物が「良い剣道具」と宣伝し、防具の基礎さえ出来ていない剣道具がちまたに氾濫しています。 剣道具であっても「防具」ではない剣道具の余りのお粗末さに危機感を抱いており、特に初心者の子供達がこうした剣道具を使って、余りの痛さに止めてしまう例が多くあります。 また有名選手で見えない部分の骨の損傷や関節への影響なども聞かれます。 防具のあり方への職人会からの提言の一つです。 |
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皆様のご意見をも伺いたく思います。 |